🏆 製造業DX事例:ノーコードExment活用で日報作成と月次集計作業を劇的に削減

製造業DX事例:ノーコードExment活用で日報作成と月次集計作業を劇的に削減 DX/業務改善事例

【速報】弊社サポートのお客様が「埼玉DXファーストステップ企業2025」にノミネート!

少ない予算で開始できるOSSノーコードツール「Exment」を活用し、手書き日報のデジタル化を実現。
月数時間かけていた集計作業を劇的に削減し、データ貼り付けのみで完了する仕組みを構築しました。
SaaSでは困難なオンプレミス環境での導入を可能にした、伴走型支援の全貌をご紹介します。

導入前の課題:なぜ手書き日報が重荷になっていたか

今回ご支援させていただいたお客様は、生産管理システムの見直しを図る中で、現場の日報業務における非効率性を大きな課題として認識されていました。

現場作業員と事務作業の二重負担

  • 現場作業: その日の工程ごとに行われた作業内容や数量などを、各担当者が手書きの日報に記載していました。
  • 事務作業: 翌日、外部委託している担当者が、この手書きの日報から指定のExcelファイルにデータを手入力し直していました。

部長の大きな負担と意思決定の遅延

さらに深刻だったのは、この後です。
一ヶ月ごとに、部長様が手入力されたデータを用いて、数時間かけて以下の月次集計資料を作成されていました。

  • 設備の稼働率
  • 工程内の不良率
  • 人時生産性

この非効率な手作業と集計作業こそが、工場の正確な現状把握を遅らせる原因となっていました。

ツール選定の理由:OSSノーコード「Exment」が最適だったワケ

お客様の「スモールスタートしたい」「既存環境を大きく変えたくない」というご要望と、製造業特有の事情を考慮し、株式会社カジトリ様がOSSとして公開されているノーコードツール「Exment」を導入支援させていただきました。

低予算・オンプレミス導入を可能に

他のノーコードツールがSaaS(サービス)提供型である場合、サーバーをオンプレミス(自社内)で用意できない、独自のクラウド環境を利用できない企業様には導入が困難です。
しかし、ExmentはOSS(オープンソースソフトウェア)であるため、少ない予算で開始できる点に加え、お客様のニーズに合わせ、オンプレミス環境や独自のクラウド環境への導入が可能でした。

お客様の資産として保有できる安心感

SaaSの場合、自分たちで作成したアプリケーションなどのデータ資産が提供側のサーバーに存在することになります。
Exmentであれば、お客様自身の環境に導入するため、自社で作成したアプリやデータなどの資産の保有を自分たちの手に維持でき、将来的な管理やセキュリティ面でのメリットも考慮しました。

DX化のファーストステップ:劇的な業務削減を実現

私たちはまず、以下の手順で「手書き日報のデジタル化」と「月次集計作業の効率化」を達成することを目指しました。

  1. 現場での入力環境構築: 現場に空いているPCを設置。
    ノーコードツールで作成した「工程進捗アプリ」を展開しました。
  2. 工程進捗のリアルタイム入力: 作業員による入力項目を「スキャン作業」に集約しました。
    行う作業は以下の5つです。
    • 生産管理番号をスキャン
    • 部品番号をスキャン
    • 設備番号をスキャン
    • 作業員をスキャン
    • 作業工程をスキャン
  3. データ連携と集計の自動化: 別システムの出来高データを利用し、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で自動的にデータをインポートする仕組みを構築しました。

これにより、部長様が数時間かけて行っていた複雑な集計作業は、自動化されたデータを最終的なExcelフォーマットに貼り付けるだけで完了する状態となり、劇的な業務削減を達成しました。

今後の展望:さらなるDX(IoT化)への布石

今回のファーストステップでDXの基盤を構築できましたが、当初から予測されていた課題も残っています。
それは、作業員ごとの工程進捗入力の精度にバラツキが生じる点です。

今後は、この課題解決のため、工作機械にセンサーを取り付け、IoT化へとステップアップします。
センサーのログ(データ)から工程進捗データを自動で作成する予定です。
これにより、より正確でリアルタイム性の高いデータ収集が可能となり、経営判断の精度向上につながります。

伴走型支援の価値:お客様とともにノーコードを使いこなす

約1年という期間、私たちは隔週木曜日にお客様の現場に伺い、ノーコードツールの使い方を覚えていただきながら、機能実装から運用定着までを伴走させていただきました。

この伴走型のスタイルがあったからこそ、現場のニーズに合致したシステムを構築し、お客様主導で運用を継続できる体制が整ったのだと確信しています。

最終的にどのような賞を頂けるか分かりませんが、部長様とともに試行錯誤し、現場のDX化を実現できたことは、弊社の大きな誇りです。

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